大学OB会の特別講演会にオンライン参加しました。
演題は「倫理としてのCSRから戦略としてのESGへ」、講師は不二製油グループCEO補佐の河口真理子氏。河口氏は、大学と大学院では財政学と環境経済を専攻されています。
本来の価値とは社会全体の厚生のことですが、幸福度・満足度は金銭換算が困難であり、財務的な価値のみを重視してきました。2015年頃から、ESG(環境・社会・ガバナンス)、SDGs(持続可能な開発目標)を考慮するようになってきました。エシカル消費(環境・人権・倫理に配慮)に対する社会の興味は高まってきています。
世界のビジネスリーダーが考えるリスクの内訳は、環境リスクの比重が高まっています。地球の寿命46億年を1年に換算すると、12月31日23時58分38秒に農耕生活が開始されたと言われています。そこからの短期間で地球の環境は大きく損なわれています。2015年のパリ協定では、今世紀後半の脱炭素が謳われています。欧州の多くの国では、温室効果ガスの削減と経済成長の両立を実現しています。
SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けて、政府、企業の取り組みが高まっています。https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html
従来の投資では利益が重視されていましたが、ステークホルダー資本主義では環境や地域社会、従業員へのリターンも重視されています。将来的に企業に求められるのは、利益から社会性へと、その比重が移っていくと考えられます。
企業のESGへの取り組みは、社長のメッセージを読むと大体分かるそうです。ESGに配慮した取り組みを行うことは、長期的な成長を支える経営基盤の強化につながると考えられています。https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/esg
企業の戦略としてESGへの取り組みの重要性はますます高まっていると感じられました。