「日本・ASEAN関係 50 年の発展を礎に経済活動と交流の更なる活性化へ向けて」(東京都中小企業診断士協会中央支部国際部、日本ASEANセンター共催)をオンライン視聴しました。

1、日本ASEANセンター石田靖氏の講演
・日本ASEANセンターは、日本とASEAN諸国の貿易、投資、観光に関する経済促進を支援している国際機関
・ASEAN設立は1967年
・ASEANの人口6.67億人(2020年)
・2030年にはASEANのGDPが日本と並ぶ見込み
・2023年のASEAN議長国はインドネシア
・2023年は日本ASEAN友好協力50周年
・年齢の中央値は日本48.4才に対してASEAN31.18才(低い順:ラオス24.4才、カンボジア25.6才、フィリピン25.7才、高い順:シンガポール42.2才、タイ40.2才、ブルネイ32.2才)
・日本からASEANへの投資額は中国向けの3倍に上る
・日本からASEANへの輸出品目上位は鉄鋼、半導体等電子部品、自動車部品
・進出日系企業数はタイ5,800社、ベトナム2,300社、インドネシア2,000社
・ASEAN進出国での事業展開は現状維持の趨勢だがタイは拡大傾向
・ASEAN各国の巨大企業グループとの連携がビジネスチャンスにつながる(タイ:CPグループ、インドネシア:リッポーグループなど)
・サステナビリティのビジネスチャンスも期待できる(インドネシア:2025年までに海洋プラスチック70%削減目標など)
・クレジットカード保有率はシンガポールでも50%未満、銀行口座の保有率が低い国もASEANには多くある
2、日本ASEANセンター石田靖氏、東南アジア診断士会から棚田勇作氏、籔内一夫氏、宮崎浩介氏とのトークセッション
・棚田氏はタイ、籔内氏はベトナム、宮崎氏はインドネシアに駐在経験あり
・ファシリテーターは診断士協会中央支部国際部の阪本晋氏
・タイ、ベトナム、インドネシアとも新型コロナの影響は収まりビジネス客が増えている
・インドネシアの人口は年間300万人増えている
・ベトナムは中小企業の進出が減っている
・インドネシアの自動車部品2次下請メーカーの撤退は、得意先からの受注低迷、販路拡大できず資金繰りが行き詰まるというパターンが多い
・タイに進出した企業も想定より売上が伸びずに撤退する事例が多い
・進出先の選定、独資か合弁かの選択、FSの実施が重要
*FS(フィージビリティスタディ:ビジネスプランやプロジェクトの『実現可能性』を調査すること。企業がこれから進めようとしている新規事業やサービスの開発などについて、『技術的に可能か』『採算が取れるか』を実際に手掛ける前に実験・調査・検討すること)
・中小企業の海外進出は現地駐在員が1名で、メーカーの場合は技術者が派遣され、人事、労務、財務など全て任され対応できないパターンが多い
・タイのシステムエンジニアは月給10万バーツ(約39万円)になることもあり、消費市場の変化にも注目が必要
・タイには8万人の日本人がいるが、タイ人中間層をターゲットとしたサービス業のニーズが高まっている
・インドネシアの華僑は人口の3%800万人で富裕層が多い
・ベトナム人は意思決定は早いが手続きに時間がかかる
・ASEAN諸国で単一通貨を作る動きは無いが、国を超えてスマートフォン決済できる動きが進んでいる
・デジタル通貨の導入は、カンボジア、ラオスが先行している
・ASEAN各国各地域のデータ比較はJETROのホームページが便利(https://www.jetro.go.jp/world/search/compare.html)
3時間のセミナーでしたが、有益な情報が多く得られ、大変貴重な機会でした。