第76回税理士試験を受験しました。昨年、行政書士試験に合格して時間に余裕ができたので、3年ぶりにチャレンジしました。

午前は、「簿記論」を受験しました。
第一問(25点)
• テーマ:在外支店を有する本支店会計
• 主な論点:
• 本店から支店への商品送付における未実現利益(内部利益)の控除および繰延内部利益の計算。
• 外貨建取引における各種為替レート(決算日レート、期中平均レート、取得日レートなど)の適切な使い分けと換算。
• 社債の買入償還や満期保有目的債券の利息法による償却原価法などの決算整理事項。
第二問(25点)
• 問1:有形固定資産に関する諸取引と減価償却(18点)
• 資本的支出と修繕費の区分: 建物等の改修工事に伴う耐用年数延長に見合う支出の処理。
• 総合償却: 複数の機械装置を一括してグループ償却し、平均耐用年数や減価償却費を算定する処理。
• 固定資産の売却・除却・交換: 車両運搬具の下取りや、長期保有目的の株式と土地の交換取引などに伴う損益計算。
• 特殊な償却方法: 備品等における200%定率法や級数法の適用。
• 問2:のれんを含む資産グループの減損損失(7点)
• 独立した事業(甲事業など)を取得した際に発生したのれんを各事業の時価比率で按分。
• 資産グループごとの減損兆候判定、割引前将来キャッシュ・フローや回収可能価額(使用価値または正味売却価額)に基づく減損損失の測定と、のれんを含むより大きな単位での減損処理。
第三問 (25点)
1)決算整理前・閉鎖残高の状況(【資料1】)
• 普通預金、売掛金・海外売掛金、繰越商品、為替予約資産、前払家賃、建物、備品、土地、リース資産、投資有価証券、子会社株式、差入保証金、長期貸付金などの各勘定について、前期末および当期末の残高が示されています。
• 負債・純資産・資本勘定(買掛金、未払金、未払利息・法人税等、社債、リース債務、賞与引当金、長期借入金、資本金、繰越利益剰余金、繰延ヘッジ損益など)との対比を行います。
2)決算整理事項(【資料2】)
• 普通預金勘定の集約: 日々の取引ごとの相手科目や諸口の集約処理。
• 商品輸出取引(外貨建取引):
• 船積基準による収益認識(海外売上・海外売掛金)。
• 為替予約の締結(ドル売り円買いの為替予約)と、ヘッジ会計(繰延ヘッジ処理・税効果会計)の適用。
• 国内商品売買取引:
• 3分法による記帳、売掛金の回収不能(貸倒引当金の差額補充法)、電子記録債権の譲渡記録。
• 商品の評価(原価法・収益性の低下による切下げ)および商品評価損の処理。
• 固定資産とリース取引:
• 建物・構築物・備品・土地・リース資産の減価償却(定額法、200%定率法、直接控除法)。
• 建物・土地の売却予定に伴う減損損失の把握。
• ファイナンス・リース取引(所有権移転外または移転)のリースバック等における会計処理。
• 有価証券の評価とリサイクリング:
• A社社債(償却原価法・定額法)、B社株式・C社株式(子会社株式・その他有価証券)の保有目的別の処理。
• その他有価証券の評価(全部純資産直入法)と、減損処理に伴うリサイクリング(組替調整:投資有価証券評価損への振り替え)および税効果会計の適用。
• 従業員賞与・税金・貸付金等:
• 従業員賞与の支給見込額に対する賞与引当金および未払法定福利費の計上。
• 長期貸付金(D社に対する債権)の経営状況悪化に伴う、貸倒懸念債権への分類とキャッシュ・フロー見積法による個別貸倒引当金の算定。
• 賃料の未払・前払および地代家賃の値上げに伴う調整。
3)当期の損益勘定およびキャッシュ・フロー計算書(【資料3】〜【資料5】)
• 【資料3】当期の損益勘定: 収益・費用の各勘定項目(役員報酬、従業員給与、賞与引当金繰入額、減価償却費、支払利息、為替差損益など)の集計。
• 【資料4】当期のキャッシュ・フロー計算書: 営業活動によるキャッシュ・フロー(営業収入、商品の仕入支出、人件費支出、その他の営業支出、法人税等の支払額など)の算定。
• 【資料5】リサイクリング(組替調整)の簿記処理: その他有価証券の時価評価に伴う「繰延税金資産」「その他有価証券評価差額金」の計上から、投資有価証券評価損への振替仕訳のプロセス。
午後は、「財務諸表論」を受験しました。
第一問(25点)
理論問題で、以下の内容について問われています。
• 問1(10点): 財務会計の概念フレームワークに関する穴埋め問題、および「内的整合性」に関する記述の正誤判定(選択式)。
• 問2(15点): 固定資産の減損に係る会計基準からの出題。
• 空欄補充(漢字)
• 減損損失の認識判定に割引前将来キャッシュ・フローの総額を用いる理由についての記述説明
• 使用価値を過小に見積もった場合が各期の利益に及ぼす影響の説明
第二問 (25点)
理論・実務指針に関する問題で、以下の内容について問われています。
• 問1(13点): ストック・オプション等に関する会計基準に関する問題。
• 空欄補充(選択式)
• ストック・オプション付与時の会計処理を行う理由の説明
• ストック・オプションが失効した際の会計処理方法と理由の説明
• 問2(12点): 繰延資産の会計処理に関する問題(実務対応報告第19号に基づく)。
• 株式交付費の処理方法に関する国際基準と日本基準の違い(3つの理由)
• 開業費の会計処理方法とその理由の説明
第三問 (50点)
総合計算問題です。
• 設定: 子丑寅株式会社(商品販売業)の第77期(自 X7年4月1日 至 X8年3月31日)の決算整理。
• 要求事項:
1. 会社法および会社計算規則に準拠した貸借対照表および損益計算書の作成。
2. 会社計算規則に基づく附属明細書のうち「販売費及び一般管理費の明細」の作成。
3. 個別注記表(一部抜粋)の税効果会計に関する注記「繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳」の作成。
• 主な決算整理事項: 現金・預金、電子記録債務・売掛金、貸倒引当金、有価証券、棚卸資産、有形固定資産(減損損失等含む)、ソフトウェア、借入金、従業員賞与、退職給付引当金、剰余金の処分、株式報酬制度(ストック・オプション)、諸税金・税効果会計など。
「簿記論」は、苦手意識のある第一問の本支店会計を後回しにしましたが、最後に解いてみたら思ったより簡単で時間不足になり、結果的に戦略ミスでした。
「財務諸表論」は、計算はわりとできたので、理論問題でそれなりに得点できていれば見込みがあります。