元モルガン銀行日本代表・元参議院議員の藤巻健史氏より「財政金融は持続可能か」と題して講演頂きました。
バブル時代の消費者物価指数は低かったが、土地・株式など資産価格が上昇、円高が進行
日本銀行のバランスシートは98年12月末の91.2兆円から2022年12月末の703.9兆円に増加
日銀当座預金は最終的な決済口座であり、例えばA銀行からB銀行に送金するときに、日銀当座預金内でA銀行から差し引き、B銀行への加算がされる
外資系銀行が日本から撤退して日銀当座預金口座を閉鎖すると、日本のドル調達に影響する
1997年11月の橋本政権財政構造改革法案から現在まで国の借金は4倍増
G7の債務残高の国際比較は日本がダントツ1位、日本の政府債務残高の名目GDPに対する推移は太平洋戦争末期の水準に達している
2020年度予算 112.5兆円の赤字
2021年度予算 65.7兆円の赤字
2022年度予算 62.4兆円の赤字
2022年度税収予算
消費税22.1兆円
所得税22兆円
法人税13.7兆円
相続税2.8兆円
酒税1.1兆円
たばこ税0.9兆円
日銀総資産は世界で突出、国内規模に対してお金をバラマキ過ぎ
日銀当座預金の利息を上げると市中金利も上がるが、日銀の債務超過が悪化するため実現しない
日銀の金利上昇がバランスシートに与える影響
1%上昇 △28.6兆円
2%上昇 △52.7兆円
5%上昇 △108.1兆円
11%上昇 △178.8兆円
債務超過でも、中央銀行とその発行する通貨に信認を置き続けるか?
①債務超過は一時的である
②債務超過の原因が金融システムの救済であり、金融政策は厳格に運営されている
③財政が緊縮に向かっている
以上を信じていれば信認を得られ続ける
ドルを持てるなら持っておいた方が良い
個人の資産運用はドルのMMF(マネーマーケットファンド)が良い
https://www.nomura.co.jp/terms/english/m/mmf.html
ドルは世界の主軸通貨であり、それに代わる通貨は今のところ見当たらない
中国のスーパーマーケットは時々刻々と値段が変わるダイナミックプライシングが導入されている
藤巻氏は相対的なドルの強さを強調されていました。米国とドルの信認を確認する意味でも、一度、米国を見に行くことは大事と感じました。