ハーバード大学経営大学院教授/国際基督教大学理事長の竹内弘高氏より、「組織をイノベーション体質にする仕掛け~競争優位を確立する組織変革」と題する講演を伺いました。
イノベーションが実現されない理由、競争優位を掴む変革への条件とは何でしょうか。
成長を加速し競争力を向上させるには、イノベーションを起こし続けていくことが重要であることは言うまでもありません。しかし実際にイノベーションを創出し、持続的変革を果たしている企業が非常に稀であることも事実です。
ではなぜ多くのイノベーションは実現されず、革新性を保つことは難しいのでしょうか。またイノベーションを起こし競争優位を確立する組織と、そうでない組織との違いはどこにあるのでしょうか。
『ワイズカンパニー: 知識創造から知識実践への新しいモデル』の著者で、ハーバード・ビジネス・スクール教授 竹内弘高氏から、持続的イノベーションを創出し、競争優位を掴む組織の条件について伺いました。
形式知を暗黙知に、暗黙知を形式知に転換することで、イノベーションが生まれる。
SECIモデル:共同化(Socialization)→表出化(Externalization)→連結化(Combination)→内面化(Internalization)のスパイラルを繰り返す。
S:暗黙知→暗黙知 日本企業が得意とするが、コロナで難しくなった。
形式知:言葉、数字、データ、公式、方程式、音、図表
暗黙知:体感、経験、五感、直感、洞察、感情、フィーリング、理想、信念、価値観、思い
失敗を避けるのではなく、失敗を祝福する。
Just do it ! とにかくやってみる精神。
反対意見や矛盾を受け入れる。ディベートすることで次元の高い解に到達する。
ピカソのように振る舞う。
Good artists copy, Great artists steal.
模倣も大事。
マキャベリ:賢く、「今ここ」を判断
Being shrewdly tactful.
モデルナは、ワクチンを作る仕組みを作ったプラットフォーマー。仕組み作りが大事。
東大に行かずに米英の大学に行く学生が増えている。柳井財団が後援。
海外の教育を受け、日本に戻り、日本の社会を変えることを期待。
統制ばかりで失敗を怖れるのではなく、反対意見や矛盾も受け入れ、他者から学ぶことで、暗黙知の形式知化、形式知の暗黙知化を進めることで、イノベーションを創出する組織文化の構築が必要とされています。